第166章 役者にならないなんてもったいない

福田祐衣の言葉を聞き、警備員たちは反射的に柏原堅太の方へ視線を向けた。

柏原堅太の手はどす黒く変色し、血が滲んでいる。その光景は痛々しく、見る者に戦慄を覚えさせた。ズキズキとした激痛が彼を襲っているのだ。

福田祐衣の言葉に、柏原堅太の怒りは頂点に達した。彼は跳ね起きるように立ち上がると、福田祐衣を指差して罵声を浴びせた。

「この親不孝者が!」

「俺は父親だぞ! よくもこんな真似を!」

「わざとドアで手を挟みやがって。何を見てる! 俺を追い出すんじゃない、警察を呼んでこの女を逮捕させろ!」

その言葉に、警備員たちは困惑しきっていた。

「福、福田さん、これは一体……?」

福田祐衣...

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